お湯が出ない、エラーが消えない。一戸建てで給湯器が壊れたとき、最初に確かめたいのは「その給湯器は誰の持ち物か」です。持ち主によって、交換を誰に頼むか、費用を誰が払うか、ガス会社を変えるときにどうなるかが変わります。
ガス給湯器には、製品ラベルに「設計上の標準使用期間」が書かれています。決められた使い方で安全に使える期間の目安で、10年とされているものが多くあります。その前後1年(製造後9年〜11年未満)が点検期間です。
出典:一般社団法人 日本ガス石油機器工業会「点検でわかる経年劣化事故の防止 家庭用ガス給湯機器版」(2024年2月)
10年前後たった給湯器は、壊れてから慌てるより、壊れる前に「誰の持ち物か」「交換の費用は誰が持つか」を確かめておくと安心です。
プロパンガスの契約のときにガス会社が渡す書面(14条書面)には、次のことを書くことになっています。
出典:全国LPガス協会「LPガス販売指針(取引適正化・料金情報提供の自主ルール)」第5次改訂(2025年1月) 第3章(液化石油ガス法施行規則第13条第5号〜第9号)
書面が見当たらないときは、検針票や請求書の「設備料金」の欄も手がかりになります。2025年4月から、料金は基本料金・従量料金・設備料金に分けて示すことになりました。設備料金に金額があれば、ガス会社の設備の費用を毎月払っている可能性があります(三部料金制の見方)。
| ご自分の持ち物 | ガス会社の持ち物 | |
| 交換を頼む先 | ご自分で選べます(ガス会社でも、設備の業者でも) | まず今のガス会社に連絡 |
| 交換の費用 | ご自分で負担。見積もりを比べられます | 14条書面の「費用の負担」の決まりどおり |
| ガス会社を変えるとき | 給湯器は家の持ち物のまま | 14条書面の清算方法で、残りの費用を清算することがある |
ガス会社を変えるときの清算や撤去の決まりは「ガス会社を変えるときの決まり」にまとめています。書面に持ち主や計算方法が書かれていなければ、清算金は請求できない、とされています。
「給湯器はこちらで用意します。そのかわり◯年は契約を続けてください」。こうした話が出ることがあります。その場で決めずに、次のことを書面で確かめてください。
2024年7月からは、ガス会社を変えにくくするような条件をつけた契約を結ぶことなどが、法令で禁止されています(罰則あり)。
出典:資源エネルギー庁「LPガスの商慣行是正に向けた制度改正と実効性確保策」(2024年6月20日)
また、2025年12月23日、最高裁は、一戸建てで「10年未満で解約したら設備の費用を払う」とした条項を、消費者契約法により無効と判断しました(貸付配管と最高裁判決)。
給湯器と「無償貸与」のしくみは、情報サイトの「給湯器の『無償貸与』とは」「プロパンガスの給湯器・設備について」でもくわしく説明しています。