賃貸住宅のプロパンガス代は、なぜ高くなりやすいのか

賃貸のアパートやマンションに住んでいて、「ガス代が高い」と感じたことはありませんか。国(資源エネルギー庁)は、賃貸住宅のプロパンガス料金について、入居者が不利益をこうむる商習慣があったことを認め、ルールの見直しを進めてきました。

「無償貸与」という商習慣

資源エネルギー庁の説明では、もともとは、ガス会社が賃貸住宅のガス供給の契約を取るために、建物のオーナーに給湯器やガスコンロを無償で提供したのが始まりでした。

それがやがて、エアコン、インターホン、Wi-Fi機器、防犯カメラなど、ガスと関係のない設備にまで広がり、その費用があとから入居者のガス代で回収される形になっていったとされています。

出典:資源エネルギー庁「LPガスを巡る商慣行の見直しに向けた取組状況について」(内閣府 消費者委員会 本会議資料、2023年12月6日)

入居者には、選ぶ機会がなかった

国の資料は、この仕組みの問題をこう整理しています。

出典:資源エネルギー庁「LPガスを巡る商慣行の見直しに向けた取組状況について」(内閣府 消費者委員会 本会議資料、2023年12月6日)、資源エネルギー庁「LPガスの商慣行是正に向けた制度改正と実効性確保策」(2024年6月20日)

数字で見る

オーナーの要求に応じて
機器を負担したことがある
ガス会社
令和3年度 61.7%/令和5年度 56.2%(国の実態調査)。資源エネルギー庁は「LPガス事業者の約半数」と説明しています。
負担したことがある設備給湯器や配管が大半。ほかにコンロ、エアコン、ドアチャイム、便座、Wi-Fiルーター、防犯カメラ、テレビ、外壁工事なども。
国への通報2023年12月に開設された通報フォームには、2025年4月〜2026年3月だけで約1,250件の情報が寄せられています(報道)。

出典:資源エネルギー庁「LPガスを巡る商慣行の見直しに向けた取組状況について」(内閣府 消費者委員会 本会議資料、2023年12月6日)、資源エネルギー庁「LPガスの商慣行是正に向けた制度改正と実効性確保策」(2024年6月20日)、ITmedia スマートジャパン(2026年7月28日)

国のルールはどう変わったか

2024年7月無償貸与などの過大な利益の提供を禁止。入居希望者から求められたら、ガス会社は料金を示さなければならない(オーナー等を通じた事前の提示は努力義務)。
2025年4月請求を「基本料金・従量料金・設備料金」に分けて示す。賃貸住宅の料金では、ガス器具などの設備費用を含めることも禁止(新しい契約から。設備料金は「該当なし」と書く)。

くわしい経緯は「商習慣の問題と国の見直し」をご覧ください。

それでも、すぐには変わらない理由

出典:ITmedia スマートジャパン(2026年7月28日)、神奈川県LPガス協会(第12回液化石油ガス流通ワーキンググループの紹介)

くわしくは「ルール改正で何が変わり、何が残ったか」をご覧ください。

オーナーの方向けのまとめは「賃貸住宅のオーナーの方へ」にあります。

入居者ができること

契約の前に確かめたい項目は「賃貸住宅に入る前のチェックリスト」にまとめています。

当協会は、ガス会社を選べる一戸建て(持ち家)の方をご案内しています。集合住宅や賃貸住宅は、ガス会社との契約者が建物の持ち主になるため、入居者の方のガス会社の変更はご案内できません。賃貸にお住まいの方が今日からできることは、情報サイトの賃貸の方ができることにまとめています。

いつか家を建てたり買ったりするときは、ご自身でガス会社を選べます。そのときは、ぜひご相談ください。

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