「輸入価格の上昇により、料金を改定します」。そんな通知が届いたとき、その金額が本当に輸入価格の動きに見合っているのかは、なかなか分かりません。公表されている数字を使って、輸入価格や為替が動くと、家庭のガス代がどのくらい変わるのかを計算してみます。
日本で使われるプロパンガス(LPガス)は、2024年度の供給1,193万トンのうち、1,039万トンが輸入です。輸入元はかつて中東が8割以上でしたが、いまは米国が中心です。
| 輸入元(2024年度) | 割合 |
|---|---|
| 米国 | 65.5% |
| カナダ | 21.1% |
| オーストラリア | 9.3% |
| 中東 | 3.7% |
出典:日本LPガス協会「CN対応を始めとする日本LPガス協会の昨今の取り組み状況等について」(2025年6月25日 記者懇談会資料)
輸入元が変わった今も、国内の取引では、サウジアラビアの国営石油会社が毎月通告するプロパンの価格(CP=コントラクト・プライス、1トンあたりのドル建て)が、価格の目安として使われています。たとえば大阪ガスは、毎月の「プロパンガス価格・為替情報」で、CP・為替・運賃を並べて公表しています。
輸入した時点の価格は、おおまかに、ドル建てのCPを円に直し、日本までの運賃を足したものです。1年前と比べると、3つとも上がっています。
| 2025年10月 | 2026年10月 | |
| CP(プロパン) | 495ドル/トン | 680ドル/トン |
| 為替(前月平均) | 148.99円/ドル | 157.42円/ドル |
| 運賃 | 9.5円/kg | 19.2円/kg |
| 1kgあたり | 約83円 | 約126円 |
| 1㎥あたり | 約166円 | 約251円 |
出典:大阪ガス「プロパンガス価格・為替情報」(2026年10月適用・2026年10月1日作成。為替は三菱UFJ銀行の対顧客TTSの前月平均、運賃=フレートは輸入元会社が日本へ運ぶ費用)
換算:日本LPガス協会「LPガス単位換算表」(プロパン1kg=0.502㎥)。計算は当協会(税抜・目安)。1kgあたり=CP÷1,000×為替+運賃
この1年で、輸入の目安は1㎥あたり約86円上がった計算です。10㎥使う家庭なら、1か月あたり約860円(税抜)にあたります。内訳は、CPの上昇で約580円、円安で約80円、運賃の上昇で約190円です。
石油情報センターの調べでは、2026年6月に輸入した時点の価格(CIF)は1㎥あたり257.1円でした。ここでの計算(約251円)とほぼ同じ水準です(岡山の料金の15年)。
2026年10月の数字(CP 680ドル・為替157.42円)をもとにすると、次のようになります(税抜・輸入した時点の価格の変化だけを計算したもの)。
| 動いたもの | 1㎥あたり | 10㎥あたり(1か月) |
|---|---|---|
| CPが1トン100ドル動く | 約31円 | 約310円 |
| 為替が10円動く | 約14円 | 約135円 |
| 運賃が1kgあたり1円動く | 約2円 | 約20円 |
換算:日本LPガス協会「LPガス単位換算表」(プロパン1kg=0.502㎥)。計算は当協会(税抜・目安)
たとえば2026年10月のCPは、前の月より55ドル上がりました。10㎥で約170円分です。反対に、2026年7月は前の月より180ドル下がりました。10㎥で約580円分です(7月の為替161.77円で計算)。
岡山県内の一戸建て(持ち家)の方は、今のガス会社・使用量・料金をお知らせいただければ、おおむねどのくらい下がる見込みかをお伝えします(無料)。料金の相場は岡山県のプロパンガス料金相場でも確かめられます。